【概要】
島根県浜田市に拠点を置く、島根県西部山村振興財団様(以降財団様)と株式会社スフ様(以降スフ様)が共同で立ち上げたブランドiyasaka。
そのウェブサイトの製作と通販サイトの調整、およびウェブ集客のシステム構築を担当しました。
【お客様について】
財団発起人は、故・大田肇雄氏(ホームセンター・ジュンテンドー元副社長)。
大田氏は”地元浜田の豊かな木材資源を地域活性化に役立てたい”という思いで私財をなげうち、木製品の研究・製造・販売を行う公益財団法人を設立しました。
もっと多くの人に浜田の木の良さを知ってほしい。
もっと木製品に価値を見出してほしい。
もっと地域に経済循環をもたらしたい。
現理事長三浦氏がその思いを汲み、企画・設計・コンサルティングを行うスフ様とタッグを組んで家具ブランドのiyasakaを立ち上げられました。
iyasakaは、使用する木材を浜田市産広葉樹のみと素材にこだわり、どんな場所にも溶け込み且つ存在をアピールするシンプルなデザインを特徴としています。
【ブランドにかける思い】
iyasakaのロゴにはまだら模様のイノシシが描かれています。
イノシシは財団所在地の浜田市弥栄町に住む代表的な生き物であり、勢いよくまっすぐ進んでいきたいという思いが込められています。
また、イノシシはダニ落としや体温調整のために自ら泥にまみれることがあります。
その汚れたまだらの姿も”イノシシらしさ”であり、木の1つ1つ違う木目のように自然の合理性の美しさ・ありのままの美しさにつながると感じて、イノシシをロゴに据えています。
【業務内容】
・CMSを使用したウェブサイト構築
・訪問ユーザー分析のための環境構築(外部ECとクロスドメイン)
・セキュリティ強化
・外部ECサイトとSNSの連携構築
・ネット広告の環境の構築と配信
【ウェブサイト構築】
お客様の要望は第一にブランドにかける思いと商品の説明が十全にできること、第二にユーザーの動きが分析できること、第三に自分たちで運営できることでした。
第一の要望はデザインに関することです。
ウェブサイトを作る段で事業方向性とロゴは決まっていましたが、サイトのデザインは任せていただく運びになりました。
販売を予定していた製品を見せていただくと、広葉樹の美しさもさることながらストレートで無駄のないデザインから重さと軽さを同時に感じたことが印象に残り、それを表現できたらと考えました。
プロダクトデザイナーの方にお話を伺うと、部分的に黒を使い重さを印象付ける・底面のエッジに勾配をつけ浮かせて軽く見せるなど、見た目の重さと軽さをデザインで両立させたいということをおっしゃっており、まさに狙い通りの印象を受け取っていたことがわかりました。
ウェブサイトも製品の雰囲気を踏襲し、ストレートでありながら重さと軽さを同時に感じるシンプルなデザインにしようと考えました。
”重さと軽さ”・”木の質感が映えるストレートで無駄のないデザイン”を考えたとき、区切りがはっきりしていることだと考えました。
つまり、グラデーションではなく白と黒。
曲線でなく直線。
連綿と続くスクロールでなく、くっきり切り替わること。
iyasakaのプロダクトと組み合わせてみると、その考えは正解であったと感じました。
黒成分を含む写真と白成分を含むテキストを交互のページに配置することで重さと軽さを出すことに成功し、スクロールするときっちり画面サイズ分切り替わることでエッジ感が表現できています。
写真も白と黒が印象的になるように撮影し、白黒の大小のなかにも小さい大小があってサイト全体にリズムが生まれるように構成しました。
ユーザーが最初に入るページにはあえて製品を置かず、浜田の自然の写真を使用しました。
というのも、財団・スフの代表の方々が広葉樹製品で地域の里山に還元したいという強い思いを語られており、私自身初めて訪れた浜田の里山の美しさに感動し、使用している木材がどのようなところで採れたものなのかを伝えたいと考えていたからでした。
強く印象付けるためにあえて写真を小さいサイズにして、まるで窓から外を見ているような、画面のすぐ奥に森が広がっているような錯覚を起こしたいという狙いがあります。
【ユーザー分析】
Googleアナリティクス・サーチコンソールを利用し、ユーザの行動が分析できるように設定しました。
ドメインが違う外部EC(Stores)を利用する予定でしたので、そちらでの動きも把握できるようにクロスドメインも設定しました。
アナリティスクでは、サイトに訪れた人の滞在時間や画面の遷移、どこの地域からアクセスしているかなどを確認できます。ブランド立ち上げだったこともあって、どのような年代・性別のユーザーがどのデバイスで訪問してきたかを気にされていました。
【セキュリティ強化】
どんなウェブサイトも常に危険にさらされている、ということはご存じでしたか?
通信の盗聴、別の攻撃への踏み台にされる、権限の奪取によるPCの乗っ取りなど、ネットワークに由来するリスクは多くあります。
ですが、PCやOSのメーカー・ソフトウェア会社の努力は並ではありません。
適切な技術を適用する、つねにソフトウェアを最新にするなど、ユーザー側の意識で十分に防止することができます。
ウェブサイト構築でのセキュリティでは、SSL/TLSにより通信を暗号化・ボット(自動操作)による攻撃を防ぐrecapchaの導入、CMS及び使用プラグインを最新に保つことが考えられます。
また、プラグインに潜む脆弱性を検知するためにbarracuda社のセキュリティスキャンをかけています。
【SNS連携】
近年ではInstagramをはじめとしたSNSでPRする企業も多いです。
SNSは利用者が多く広告も打てるため、企業やブランドを人々の目に触れさせる最初のステップとして非常に優秀です。
SNS自体がユーザーの嗜好を収集しているので、こちらからPRするときも最適に配信してくれます。
ユーザーに周知するためにSNSを利用しない手はありません。
外部ECとして利用したStoresには、Instagramと連携する機能があります。
Instagram の投稿に、ECで販売している商品をタグ付けすることで、InstagramからECへ誘導することができます。
ただ、あくまでSNSは入口戦略の一つだと思います。
ちゃんとしたウェブサイトがあるというのは安心感があるものです。
サイズやUI、色調など、自由に設定できるウェブサイトこそ、自分たちの望ましいカタチで自分たちのPRができると思います。
【広告配信】
ウェブ広告にはいくつか種類があります。
SNS内で配信する広告もあれば、ウェブ検索で提示される広告もあります。
財団・スフ様ではブランド立ち上げ直後ということもあって、
1.まずはサイトへの流入者を増やし認知度を上げたい
2.商品よりもブランドの紹介として配信したい
2.テストで行うため、費用は1万円程度で
という要望がありました。
金額的なパフォーマンスに優れ、キーワード検索で引っ掛かった(=キーワードに関心がある)時に表示されるというGoogleのリスティング広告を選択しました。
Googleのリスティング広告は、キーワードを指定してそのワードが検索されたときに表示される広告です。
キーワードにはクリックあたりに発生する単価があり、それはオークション方式で決められます。
たとえば、クリスマスが近い時期に”クリスマス”や”プレゼント”をキーワードにすると、同じようにキーワードを指定する人が多いので単価が高いくなるというわけです。
リスティング広告の良いところは、トータルの予算と1日あたりの予算を設定できるところ・配信する時間やターゲットを絞ることが出来ることです。
もちろん適当に配信することはNGですが、自分たちがターゲットにしたい層に望ましくリーチしているかどうかや、配信効率が最大化するように配信時間を絞ったりできます。
財団・スフ様では約1万2千円の広告配信を3回実施し、サイト流入者を10倍にすることが出来ました。
【アフターケア】
財団&スフ様は、運営は自分で行いたいとのことでしたので、WordpressというCMSを利用し、写真の差し替えや投稿やプロダクトの追加が行いやすい設計にしてあります。
また、広告の配信方法やアナリティクスの分析方法などの手引書を作成し、運営担当者にお渡しするなどアフターケアも万全です。
財団・スフ様ありがとうございました。
iyasakaブランドのウェブサイトは以下よりアクセス可能です。
https://i-yasaka.com/
閲覧いただた皆様、ありがとうございました。
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